洗いすぎに注意——皮脂と頭皮の常在菌を守るケア

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「毎日しっかり洗わないと不潔」——そんな感覚を持っている方も多いと思います。しかし、洗いすぎは肌や髪にとってむしろダメージになることがあります。美容師の立場から、皮脂と常在菌を守るケアについてお伝えします。

この記事のポイント

  • 石鹸で強くこすり洗いすると、皮膚表面の常在菌の約90%が失われることがある
  • 常在菌は乾燥・雑菌・アレルゲンから肌を守る「美肌菌」の役割を持つ
  • ボディは毎日石鹸を使わなくても、ぬるま湯だけで汗や汚れの大部分は落ちる
  • 髪・頭皮はシャンプーの使用を勧めるが、強くこすりすぎないことが大切

「洗いすぎ」が肌に与える影響

日本人は世界的に見ても清潔志向が強く、毎日のシャワーや入浴が習慣化しています。清潔であることは大切ですが、石鹸やボディソープで全身を毎日ゴシゴシ洗いすぎると、肌に必要な皮脂まで失ってしまうことがあります。

皮脂は肌を乾燥から守るバリア機能を担っています。毎日強く洗い流すことで皮脂が不足すると、肌がカサカサしたり、かえって皮脂が過剰分泌されてべたつくといった悪循環に陥ることもあります。

皮膚の常在菌が守ってくれること

皮膚の表面には「常在菌」と呼ばれる菌が無数に棲んでいます。これらは乾燥や雑菌・ハウスダストなどのアレルゲンから肌を守ってくれる存在で、「美肌菌」とも呼ばれます。石鹸で強くこすり洗いすると、この常在菌の約90%が失われるとも言われています。

残った皮脂は時間が経つと酸化して肌にダメージを与えたり臭いの原因になることもあります。そのため、皮脂の多い部分(耳の周りから首、脇の下やデリケートゾーンなど)は石鹸を使ってケアしながら、乾燥しやすい部位は毎日石鹸を使わないという選択肢もあります。

「無洗入浴」という考え方

石鹸を使わずにぬるま湯だけで10分以上湯船につかる「無洗入浴(タモリ式入浴法)」という方法が話題になったことがあります。汗や不要になった角質はお湯で流れますが、皮脂は落としきれずに残ります。

肌の皮脂分泌量には個人差があるため、これが全員に最適とは言えません。ただ、「毎日全身をゴシゴシ洗わなければならない」という思い込みを見直すきっかけとしては参考になる考え方です。

頭皮と髪の洗い方

髪と頭皮については、スタイリング剤などが残りやすいためシャンプーの使用を勧めます。ただし、頭皮を爪でゴシゴシこすり洗いするのは避けた方が良いです。必要な常在菌まで流れてしまい、頭皮への刺激にもなります。

まずシャワーでしっかり水洗いして頭皮と髪全体を湿らせ、シャンプーをよく泡立てて指の腹でやさしく洗うことが基本です。泡立てて洗うことで、摩擦を減らしながら汚れを落とせます。

まとめ

「きれいにしなければ」という意識は大切ですが、洗いすぎは皮脂や常在菌を必要以上に落としてしまいます。皮脂の多い部分と乾燥しやすい部分を使い分けながら、肌に必要なものを残すケアが長期的な肌と頭皮の健康につながります。

頭皮ケアや洗い方のご相談は、お気軽にどうぞ。

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