髪を形作る4つの結合——パーマやスタイリングの仕組みを知る
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「パーマをかけると髪が傷む」とわかっていても、その仕組みを知っている方は少ないかもしれません。美容師の立場から、髪を形作る4つの結合と、パーマやスタイリングがどのように機能するかをお伝えします。
この記事のポイント
- 髪には4種類の結合があり、それぞれ異なる方法で切断・再結合される
- 水素結合は水や熱で切れる——ブローやアイロンのスタイリングはこれを利用している
- シスチン結合(SS結合)はパーマ・縮毛矯正で薬剤によって切断・再結合される
- ペプチド結合(主鎖)は化学的に不可逆——ここが切れると髪の修復はできない
髪の構造と4つの結合
髪の毛はケラチンタンパク質が連なった構造をしています。このタンパク質の鎖(ポリペプチド鎖)同士は、いくつかの種類の結合によって横につながれています。この横のつながり(サイドボンド)が、髪の形や強度を決めています。
①水素結合
水素結合は水分や熱によって簡単に切断され、乾燥・冷却によって再結合する可逆的な結合です。ブローやヘアアイロンで髪を整えると一時的に形が変わるのは、この水素結合が熱で切れ、冷えると新しい形で固まるためです。雨や汗で髪がうねるのも同じ理由です。
②イオン結合(塩結合)
プラスとマイナスに帯電したアミノ酸同士が引き合う結合です。アルカリや酸の影響を受けて切断されます。パーマや縮毛矯正に使うアルカリ剤がイオン結合にも影響を与えます。
③シスチン結合(SS結合・ジスルフィド結合)
シスチン結合はパーマ・縮毛矯正の中心となる結合です。チオグリコール酸やシステアミンなどの還元剤によってSS結合が切断され、新しい形に整えた後、酸化剤(過酸化水素など)で再結合させます。この還元・酸化の反応がパーマの原理です。
④ペプチド結合(主鎖)
ペプチド結合はタンパク質の「背骨」にあたる結合で、化学的に安定しており通常の施術では切断されません。しかし過剰なアルカリや酸化、強いブリーチなどによってペプチド結合が切れると、毛髪タンパク質そのものが分解され、修復不可能なダメージになります。これが「切れ毛」「髪が溶ける」状態の原因です。
スタイリングとパーマの違い
ブロー・アイロンは水素結合を一時的に操作するだけなので、翌日洗髪すれば元に戻ります。一方、パーマ・縮毛矯正はSS結合を薬剤で切断・再結合するため、洗髪しても形が持続します。ただし、SS結合の操作は化学反応なので、適切に行わないと残留薬剤によるダメージや施術ムラが生じます。
結合の仕組みを知ると、「なぜパーマが持続するのか」「なぜアイロンは毎日かけ直す必要があるのか」が理解しやすくなります。施術やヘアケアについてのご相談はお気軽にどうぞ。
まとめ
髪には水素結合・イオン結合・シスチン結合・ペプチド結合の4種類があります。水素結合は熱や水で可逆的に変化しスタイリングに利用され、シスチン結合はパーマ・縮毛矯正で薬剤によって操作されます。ペプチド結合が切れると修復不可能なダメージになるため、化学施術は適切なコントロールが重要です。

