ヘアマニキュアの仕組みと注意点——コーティングだからこそ知っておきたいこと
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「ヘアマニキュアは髪が傷まない」「カラーと違って安心」——そう言われることがありますが、美容師の立場から、ヘアマニキュアの仕組みと知っておきたい注意点についてお伝えします。
この記事のポイント
- ヘアマニキュアはキューティクル表面にコーティングする染め方で、脱色作用がない
- ヘアカラーのようなダメージはないが、18-MEA(髪の表面膜)を剥がすデメリットがある
- 色持ちは約1ヶ月程度と短く、色落ちが比較的早い
- 「傷まない」というのは「内部ダメージがない」という意味であり、表面への影響はある
ヘアマニキュアとは何か
ヘアマニキュアは、髪の毛の表面(キューティクル)に色素が吸着(イオン結合)することで着色する方法です。ヘアカラーのように髪の内部に浸透して染めるのではなく、表面をコーティングするように色をつけます。
脱色(ブリーチ)作用がないため、ヘアカラーのように明るくはなりません。現在の髪の色より濃い色・暗い色、または同系色には染まりますが、明るくしたい場合には使えません。
ヘアマニキュアとダメージの関係
「ヘアマニキュアは傷まない」という言葉は正確ではありません。正確には「脱色によるダメージがない」という意味です。ヘアカラーのようにアルカリ剤や酸化剤が髪の内部に作用するダメージはありませんが、ヘアマニキュアにはキューティクルへの別の影響があります。
ヘアマニキュアの色素を吸着させるために有機溶剤が含まれており、この成分がキューティクル表面の「18-MEA(メチルエイコサン酸)」を剥がしてしまうことがあります。18-MEAは髪の滑らかな手触りと柔らかい質感を作り出す大切な表面膜です。これが失われると、髪の絡まりや摩擦が増し、パサつきにつながります。
色持ちと色落ち
ヘアマニキュアの色持ちは、毎日シャンプーをすることで徐々に落ちていき、おおよそ1ヶ月程度で色がかなり落ちてしまいます。内部に定着するヘアカラーと比べると色持ちは短く、補色のために定期的に行う必要があります。
また、色が落ちてくる際に「なんとなくパサついてきた」と感じる方もいます。これはマニキュアが剥がれることで表面のコーティングが薄くなるためです。
ヘアマニキュアが向いている人
ヘアマニキュアは次のような方に選ばれることがあります。
- 白髪を暗めに馴染ませたい方(脱色せず濃い色でカバー)
- アルカリカラーが頭皮や髪に合わない方
- 一時的に色を変えたい、試したい方
ただし、向き不向きは髪の状態やご希望のスタイルによって異なります。担当の美容師に相談して、自分に合った方法を選ぶことをおすすめします。
まとめ
ヘアマニキュアはヘアカラーとは異なる仕組みで着色するコーティング染料です。脱色によるダメージはありませんが、18-MEAへの影響や色落ちの早さなど、「傷まないから何でも大丈夫」とは言い切れないデメリットもあります。メリットとデメリットの両方を知った上で、自分の髪に合ったケアを選んでください。
ヘアマニキュアについてのご相談は、お気軽にどうぞ。


