パーマの化学反応——SS結合が切れて繋がる仕組みを理解する
※本記事にはプロモーション(広告)が含まれています。リンクから商品を購入すると、当サイトに紹介料が入ることがあります。また、記事内の一部の商品は当店の関係者が販売している商品です。掲載する商品は、美容師としての使用経験と選び方の基準にもとづいて選んでいます。
パーマはなぜ「かかる」のでしょうか。美容師の立場から、パーマの化学反応——SS結合が切れて繋がる仕組みをお伝えします。
この記事のポイント
- パーマは「還元」でSS結合を切り、「酸化」で再結合させる化学反応
- 還元剤は毛髪のシスチン(K-SS-K)に作用して混成ジスルフィド(K-SS-R)を経由する
- 中間体(K-SS-R)が残留すると、後々のダメージ源になる
- 2剤(酸化剤)の役割は新しい位置でSS結合を再形成し、形を固定すること
パーマの化学反応の基本
パーマに使われる1剤は「還元剤」です。還元剤の代表はチオグリコール酸(TGA)やシステアミンなどで、これらが毛髪内のシスチン結合(SS結合)を切断します。
反応式で表すと:
K-SS-K + 2 RSH → K-SH + K-SH + R-SS-R
K は毛髪ケラチン、RSH は還元剤です。毛髪のSS結合が切れてSH基(チオール基)になります。この状態でロッドに巻いた形のまま保持すると、髪はその形に従って変形します。
混成ジスルフィドという中間体
実際の反応では、単純にSS結合が切れるだけでなく、毛髪のSH基と還元剤のSH基が結合した「混成ジスルフィド(K-SS-R)」という中間体が生じます。
K-SS-K + RSH → K-SS-R + K-SH
この K-SS-R(混成ジスルフィド)が毛髪内に残留した状態で2剤処理が不十分だと、施術後も毛髪内に不安定な結合が残ります。これが残留ダメージの一因と考えられています。2剤(酸化剤)をしっかり使用することで、この中間体を安定したSS結合に変換することが重要です。
2剤(酸化剤)の役割
2剤は主に過酸化水素(H₂O₂)または臭素酸塩(ブロム酸)が使われます。1剤でほぐれたSH基同士を新しい位置で酸化させ、SS結合として再形成します。
K-SH + K-SH → K-SS-K + 2H
ロッドを巻いた状態で新しいSS結合が形成されるため、巻いた形でカールが固定されます。2剤の処理時間・濃度が適切でないと、SS結合の再形成が不完全になり、パーマのかかりが弱くなったり、残留薬剤によるダメージが増えたりします。
パーマの化学反応を理解すると、施術の各ステップがなぜ重要かがわかります。施術やアフターケアについてのご相談はお気軽にどうぞ。
まとめ
パーマは1剤(還元剤)でSS結合を切断し、2剤(酸化剤)で新しい位置に再形成する化学反応です。還元過程では混成ジスルフィド(K-SS-R)という中間体が生じ、これが残留すると後々のダメージ源になります。2剤処理を適切に行うことが、パーマの持続と髪の健康の両立に重要です。

