水道水の銅イオンと髪のダメージ——CMの主張を正しく理解する
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「水道水に含まれる銅イオンが髪を傷める」——テレビCMなどで耳にしたことがある方もいると思います。美容師の立場から、この主張を正しく理解するための情報をお伝えします。
この記事のポイント
- 水道水に含まれる銅イオンは、アニオン系シャンプー後に負電荷を持つ毛髪に吸着することがある
- 銅イオンはヘアカラーの褪色を早める可能性があるとされている
- キレート剤配合シャンプーが銅イオンをある程度抑制できる
- ただしCMで描かれるほどの劇的な効果ではなく、誇張された表現が多い
銅イオンと毛髪の関係
水道水には微量の銅イオン(Cu²⁺)が含まれています。アニオン(陰イオン)系界面活性剤を使ったシャンプーで洗髪すると、毛髪表面が一時的に負電荷を帯びます。その状態で水道水に含まれる銅イオン(正電荷)が毛髪に吸着することがあります。
毛髪に吸着した銅イオンは、過酸化水素との反応(フェントン反応)を促進し、ヘアカラーの色素を分解しやすくするとされています。これがカラーの褪色を早める一因になり得ます。
キレート剤の効果
キレート剤(金属イオン捕捉剤)はEDTAやフィチン酸などの成分で、金属イオンに結合してその反応性を抑える働きをします。キレート剤を配合したシャンプーを使うと、銅イオンが毛髪に吸着する前に捕捉・除去できます。
カラーの持ちを良くしたい方には、キレート剤配合シャンプーを選ぶことに一定の合理性があります。
CMの主張を正しく読む
「水道水の銅イオンが髪を傷める」という主張は、科学的な根拠がないわけではありません。しかし、CMで描かれるような「水道水だけで一気に髪が傷む」「製品を使えば劇的に違う」という表現は誇張されていることがほとんどです。
実際の毛髪ダメージには熱ダメージ・化学施術ダメージ・摩擦ダメージなど多くの要因が複合的に絡んでいます。銅イオンの影響は要因の一つに過ぎず、キレート剤シャンプーを使うことが「すべての髪の悩みを解決する」わけではありません。シャンプー選びやヘアケアについてのご相談はお気軽にどうぞ。
まとめ
水道水の銅イオンがアニオン系シャンプー後の毛髪に吸着し、カラーの褪色を促進する可能性があることは事実です。キレート剤配合シャンプーはこれを抑制する効果が期待できます。ただしCMで描かれるほどの劇的な影響ではなく、毛髪ダメージは複数の要因が複合するものです。正しく理解した上でシャンプー選びに役立てることが大切です。


