炭酸泉って何が違うの?美容師が教えるヘアケアでの正しい使い方
炭酸水と炭酸泉の違い
「炭酸水」と「炭酸泉」、言葉は似ていますが、美容の現場では少し意味が違います。
どちらも炭酸ガス(二酸化炭素)が溶け込んでいることに変わりはないのですが、その濃度や使い方が異なります。この記事では、美容室での実際の使用経験をもとに、炭酸をヘアケアに活かす正しい知識をお伝えします。
まずシンプルに整理すると、
- 炭酸水 = 炭酸ガスが溶けた水(冷たい)
- 炭酸泉 = 炭酸ガスが溶けたお湯(温かい)
どちらも炭酸ガスが溶け込んでいるという点では同じです。お湯か水かの違いと覚えておけばOK。美容で「炭酸泉」という場合は、一般的には炭酸ガスが溶けた温泉・温浴のことを指します。
炭酸濃度の話
炭酸ガスが水に溶け込む量(濃度)は、温度と気圧によって変わります。
気圧が同じ条件なら、温度が低いほど炭酸を高濃度に保てます。
濃度の単位は「ppm(ピーピーエム)」で表します。百万分率のことで、パーセントよりもさらに細かい単位です(1ppm = 0.0001%)。
一般的にお湯1リットルに炭酸ガスが250ppm以上溶け込んでいると「炭酸泉」と呼ばれます。その中でも1,000ppm以上のものは「高濃度炭酸泉」とされ、血行促進などの効果が高いと言われています。
ただし注意が必要なのが、炭酸ガスが水に溶ける量には物理的な限界があるという点。お湯の状態で溶ける炭酸はせいぜい4,000ppm弱が上限です。
ときどき「10,000ppm」などをうたう商品を見かけますが、これは物理的に不可能な数値なので、信頼性には欠けます。数字の大きさだけで選ばないよう気をつけてください。
美容室で炭酸泉を使う理由
炭酸泉を美容室のメニューで使う目的は、主に次の3つです。
① 髪のpHバランスを整える
炭酸泉は弱酸性で、健康な髪と同じpH域に近いため、キューティクルを引き締めて整えてくれます。
② 余分な残留物を落としやすくする
通常のお湯より洗浄力が高まり、髪や頭皮に余計なものが残りにくくなります。
③ 炭酸ガスの血行促進効果
炭酸ガスが頭皮に触れることで血流が改善され、頭皮環境の改善が期待できます。
当店での使い方
当店では炭酸泉を、パーマやカラーなどの施術後に使用しています。
薬剤を使った施術のあとに残留する成分をしっかり除去することが目的で、これによって施術後の余計なダメージ要因を減らし、仕上がりをより良くすることにつながります。
パーマやカラー後の残留薬剤の除去は地味に見えますが、実はスタイルのもちやダメージの出方に大きく関わる重要な工程です。そのため当店では欠かせないアイテムとして取り入れています。
まとめ
- 炭酸水と炭酸泉の違いは「水かお湯か」
- 炭酸濃度(ppm)が高いほど効果的とされるが、溶ける量には物理的な上限がある
- 美容室では主に「残留物除去」「pH調整」「血行促進」の目的で使用される
- 当店ではパーマ・カラー後の施術工程として活用中
炭酸泉というと「スパや温泉」のイメージが強いかもしれませんが、美容室でのヘアケアにも役立つ存在です。施術のクオリティを上げる縁の下の力持ちとして、これからも取り入れていきます。


