妊娠中・授乳中のヘアカラーは危険?「経皮毒」の真実と美容師の見解
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「妊娠中や授乳中にヘアカラーを使うと、体内に毒を吸収して子供に悪い」という話を聞いたことはありますか?これは「経皮毒(けいひどく)」と呼ばれる考え方に基づいた主張です。美容師の立場から、この「経皮毒」の実態と、妊娠中のヘアカラーについて正しく解説します。
この記事のポイント
- 「経皮毒」は学術的に認められていない概念で、疑似科学と位置づけられている
- MLM(マルチ商法)の販売手法として広まった背景がある
- 「化学物質=悪い」という単純な図式は科学的に正確ではない
- 妊娠中のヘアカラーへの懸念は理解できるので、不安なら担当医への相談をおすすめ
「経皮毒」とは何か
「経皮毒」とは、シャンプーや化粧品、洗剤、ヘアカラーなどの日常品に含まれる化学物質が皮膚を通じて体内に蓄積され、さまざまな疾病の原因になるとする考え方です。2005年に竹内久米司という人物がその著書でこの造語を広めました。
「皮膚から有害化学物質が体内に蓄積される」「その有害物質が様々な疾病の原因になる」といった主張は医学的には証明されておらず、信憑性は低いとされています。学術的には「ニセ科学」と評価されています。
なぜ「経皮毒」が広まったのか
「経皮毒」という概念は、MLM(マルチ商法)関連の事業者が自社の「ナチュラル成分」製品を販売しやすくするために利用されてきた側面があります。「一般市販の洗剤に含まれている経皮毒が蓄積し、将来がんになる」「ニューウェイズの製品はすべてナチュラル成分でできていて、化学物質を使っていない」などと告げて勧誘を行っていた事業者は、消費者庁から業務停止命令を受けています。
多くの人は「化学的な物質」と聞くとなんとなく体に悪く、何かしらの悪影響を及ぼすものといったイメージを持ちます。こうした大衆心理が「経皮毒」をすんなり信じてしまう結果になったのでしょう。
「化学物質=危険」は正しくない
「化学物質」という言葉から危険なものをイメージするのは自然ですが、実際には水もミネラルも化学物質です。「化学物質」とは化学的な組成を持つすべての物質を指す言葉で、それ自体が危険であることを意味しません。
また、天然由来だから安全・化学合成だから危険という単純な図式も正確ではありません。天然成分でもアレルギーを起こすものはありますし、化学合成された成分でも安全性を確認した上で使用されているものが多くあります。
妊娠中のヘアカラーについての考え方
経皮毒が疑似科学であるとしても、妊娠中にヘアカラーを使うことへの不安は理解できます。一般的には、妊娠初期(特に妊娠3ヶ月まで)は胎児の器官形成期にあたるため、可能であれば刺激を避けることが多く推奨されています。
妊娠中や授乳中のヘアカラー使用については、主治医や産婦人科医に相談した上で判断されることをおすすめします。心配な場合は施術をいったん控えるか、刺激が少ない製品を選ぶといった選択肢があります。
当店でも、妊娠中・授乳中のお客様からのご相談はよく受けます。状況に応じて適切なアドバイスをしますので、遠慮なくお気軽にご相談ください。
まとめ
「経皮毒」は学術的に認められていない造語であり、その理論を利用した誇大な主張には注意が必要です。化学物質すべてが危険というわけではなく、成分の種類や使用量、接触の仕方によって安全性は変わります。
情報があふれる時代だからこそ、信頼できる情報源や専門家に相談することが大切です。髪のことや施術への疑問があれば、何でもお気軽にご相談ください。


